梅雨と陰鬱とスラップスティック

暗黒期の5月が終わったと思いきや梅雨の到来
今年は雨が一向に降らず、連日猛暑で体調管理も難しいんじゃないかと思います。

こんにちは、経済情報学部4回生の宇治友祐です。

皆さん調子はどうですか?
ちなみに俺は、さっぱりよろしくないですね(笑)

どうしようもない怠さに襲われて一日中動けなかったり
圧倒的な万能感に襲われて淡々とレポートを終わらせたり
はたまたよく分からない浮遊感を感じてふわふわしたり……
梅雨時期の6月夏休み明けの9月なんかは毎年こんな感じで困ったもんです。

5月に初めてブログライターさんのミーティングに参加した日なんかは、タイミングの悪いことにバイオリズムが最悪でした。
俺は体調が優れない日は、いつも以上に無口になってしまうので、
後日同じくミーティングに参加していた女の子から「この人が一体どんなブログを書くんだろうと思った」と云われる始末です(笑)

その日の惨憺たるメンタルや本当に名状しがたいレベルのもので、おぞましいほどの負のオーラを発散していたのでしょう、
帰り道ですれ違った女子高生からは地球外生命体を発見したような目で見られました(笑)

かといって、そんな日でも決して不機嫌なわけではないので普通に話しかけてあげてください!

さてさて、そんな俺の絶好の気分転換方法を一つ。
それは、町田康の小説を読むことです。

町田康(まちだこう)という作家、皆さんはご存知ですか?
元々は町田町蔵の名で、伝説のロックバンド「INU」のボーカルをつとめていたミュージシャンです。
音楽活動を続けている傍らで詩集を出版、続いて小説で賞を取って文壇デビューしました。

特筆すべきは、彼の饒舌で且つパンキッシュな独特の世界観!
曲のようにリズム感溢れる文体と、ナンセンスでシュールな作風なので、賛否両論があると思いますが、はまる人は本当にはまります。
出会いは2年ほど前、俺が崇拝している中島らもという作家と共通項が多いという理由から読んでみたんですが……見事に目眩がするほどはまってしまいました(笑)


こちらは、俺がお気に入りの短編集『権現の踊り子』です。
表題作の「権現の踊り子」は第28回川畑康成文学賞を受賞しました。

この中でも、「逆水戸」という一篇が好きすぎてたまらない!
町田康の作品群の中でも一番読み易く、単純に面白い作品だと思うのですが、あらすじはというとタイトルそのまま、「水戸黄門」の何もかもが逆になっているのです。
黄門様は適当に仕事する上に虚栄心がメチャクチャ強いし、
町娘をさらおうとする悪党はそんなに悪い人じゃないし、
代官は悪代官でも何でもなく普通の人……

時代劇好きな町田康が、気の向くままに楽しんで書いてるのが分かる作品です。
水戸黄門の内容を一切知らなくても楽しめますよ!
本屋などで目にした際は冒頭だけでも読んでみてください。普通の文学とは一味違います

ちなみに、俺はヒメドクブログとは別に個人でもブログをやってるんですけど、そのブログでの文体は完全に町田康の影響を受けまくっています(笑)
また機会があれば、ヒメドクブログでも宣伝させていただきます!

こんな感じで、町田康の小説を片手に布団に籠り、スラップスティックな世界に浸るのが究極の気分転換です。
因みに、初めて町田作品に触れるなら『権現の踊り子』『浄土』のどちらかから読むことをオススメします。
小説や文学に興味のある人は、是非とも自分に合った世界観を持つ作家を発見してみてください!

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